高血圧は、血管にかかる圧力が慢性的に高い状態を指します。
日本では成人の約3人に1人が高血圧とされ、非常に一般的な病気です。
多くの場合、自覚症状はほとんどありませんが、放置すると脳卒中・心筋梗塞・心不全・腎臓病などの
重大な病気につながるおそれがあります。
原因としては、塩分の多い食生活、運動不足、肥満、ストレス、遺伝的な体質などが挙げられます。
年齢とともに発症リスクは高まります。高血圧は「サイレントキラー(沈黙の殺し屋)」とも呼ばれ、
症状が出ないからといって安心はできません。早期の予防と管理がとても重要です。
高血圧の診断は、診察室での血圧測定(診察室血圧)や家庭血圧によって行われます。
診察室血圧で上(収縮期血圧)が140mmHg以上、または下(拡張期血圧)が90mmHg以上の場合、
高血圧と診断されます。
家庭血圧では135/85mmHg以上が基準となります。
診断時には、血圧だけでなく、腎機能・心臓・脳血管などの合併症の有無やリスク評価も行います。
また、白衣高血圧(診察室でだけ高い)や仮面高血圧(家庭でだけ高い)などにも注意が必要です。
正確な診断のためには、家庭でも定期的に血圧を測定する習慣が大切です。
高血圧の治療では、まず生活習慣の改善が基本です。
塩分を1日6g未満に抑える減塩、野菜中心のバランスのよい食事、適度な運動、禁煙、ストレス管理などを心がけます。
これだけで血圧が下がる方も少なくありません。
薬物療法が必要な場合は、降圧薬(Ca拮抗薬、ARB、ACE阻害薬、利尿薬、β遮断薬など)を用いて血圧を
コントロールします。複数の薬を組み合わせることでより良い効果が得られることもあります。
当院では、患者さんの体質や生活に合わせて、無理のない治療を一緒に進めてまいります。
糖尿病は、血液中のブドウ糖(血糖)が慢性的に高くなる病気です。血糖値が高い状態が続くと、
目・腎臓・神経・血管などに障害を起こし、さまざまな合併症を引き起こす可能性があります。
初期にはほとんど症状がなく、健康診断などで偶然発見されることも多いですが、進行すると、
のどの渇き・多尿・体重減少・倦怠感などの症状が現れることがあります。
糖尿病は主に「1型」と「2型」に分類されます。1型は自己免疫などが原因で、インスリンという
ホルモンがほとんど分泌されなくなる病気で、若年で発症することが多いです。
2型は生活習慣や体質が関係しており、日本人の糖尿病の約95%を占めます。
近年は、食生活の欧米化や運動不足、肥満の増加などにより、患者数は増加傾向にあります。
糖尿病の診断には、主に血糖値とHbA1c(ヘモグロビンA1c)という指標が用いられます。
空腹時血糖値が126mg/dL以上、あるいは随時血糖値が200mg/dL以上、または75g経口ブドウ糖負荷試験
(OGTT)2時間値が200mg/dL以上の場合、糖尿病が強く疑われます。
加えて、HbA1cが6.5%以上であることも診断の目安となります。
これらの検査のうち、いずれかが異常値であっても、症状がない場合には複数回の確認が必要です。
また、診断の一環として、尿糖や尿中ケトン体の有無、血中インスリンやCペプチドなどを測定することもあります。
糖尿病は早期発見・早期治療がとても重要ですので、年に1回は健康診断を受けることをおすすめします。
糖尿病の治療の基本は、食事療法・運動療法・薬物療法の3本柱です。
まず、食事療法では、バランスの取れた食事を心がけ、過剰なカロリー摂取や糖質のとりすぎを避けることが重要です。
運動療法では、ウォーキングなどの有酸素運動を定期的に行うことで、血糖値のコントロールや体重管理に効果があります。
薬物療法は、生活習慣の改善だけでは血糖コントロールが不十分な場合に行います。
2型糖尿病では、血糖降下薬(メトホルミン、DPP-4阻害薬、SGLT2阻害薬、GLP-1受容体作動薬など)を使用します。
必要に応じてインスリン治療を行うこともあります。
糖尿病の治療は、一人一人の体質や生活習慣に応じて、最適な治療方針を選択していくことが大切です。
当院では、患者さんとしっかり相談しながら、無理なく続けられる治療を一緒に考えていきます。
脂質異常症とは、血液中のコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)の値が基準よりも高くなる、
あるいはHDL(善玉)コレステロールが低くなる状態を指します。
以前は「高脂血症」とも呼ばれていました。症状はほとんどありませんが、長期間放置すると動脈硬化が進行し、
心筋梗塞や脳梗塞などの重大な病気を引き起こします。
脂質異常症の原因には、食生活の乱れ、運動不足、肥満、過度の飲酒、遺伝的な体質などが関係します。
特に中高年の男性や閉経後の女性に多くみられます。健康診断で指摘されたら、早めの対策が必要です。
脂質異常症の診断は、採血によって血中の脂質の値を測定することで行われます。
LDL(悪玉)コレステロールが140mg/dL以上、中性脂肪が150mg/dL以上、HDL(善玉)コレステロールが
40mg/dL未満のいずれかに該当すると、脂質異常症と診断されます。
診断時には、糖尿病や高血圧など他の生活習慣病の有無も確認し、動脈硬化のリスクを総合的に評価します。
早期の段階で適切な対応を行うことで、将来的な心血管疾患のリスクを大きく減らすことができます。
脂質異常症の治療では、まず生活習慣の見直しが基本です。
野菜や魚を多くとるバランスの良い食事、適度な運動、体重管理、禁煙などが効果的です。
特にLDLコレステロールを下げるには、飽和脂肪酸の摂取を減らすことが大切です。
薬物療法が必要な場合は、スタチン系薬剤を中心に、必要に応じてエゼチミブ、フィブラート、EPA製剤などを使用します。
当院では、患者さん一人ひとりのリスクや生活背景を考慮し、無理のない治療を心がけています。
治療は長期にわたることが多いため、継続できる環境づくりが重要です。
肥満症とは、単に体重が多いだけでなく、肥満が原因で高血圧・糖尿病・脂質異常症・睡眠時無呼吸症候群などの
健康障害を引き起こしている状態を指します。
日本ではBMI(体格指数)が25以上で「肥満」とされ、これに関連する疾患があれば「肥満症」と診断されます。
原因は、過食・運動不足・遺伝的要素・ストレス・睡眠不足・薬剤の副作用などさまざまです。
近年では、生活習慣の乱れにより若年層の肥満も増加しています。
肥満は見た目の問題にとどまらず、生活習慣病や動脈硬化のリスクを高めるため、早期の対応が必要です。
肥満症の診断は、まずBMI(体重kg ÷ 身長m²)を基準に行われます。
BMIが25以上で、かつ肥満に関連する健康障害(高血圧、脂質異常症、糖尿病、脂肪肝、睡眠時無呼吸など)がある場合、
「肥満症」と診断されます。
また、内臓脂肪型肥満の指標として、腹囲(男性85cm以上、女性90cm以上)も重要です。さらに、血液検査や血圧測定、
肝機能検査などを通じて、肥満による合併症の有無や程度を把握し、適切な治療方針を立てます。
肥満症の治療の基本は「生活習慣の改善」です。
1日3食をバランスよく摂り、カロリーや脂質・糖質の摂取を見直す食事療法に加え、
ウォーキングなどの無理のない運動を継続することが大切です。睡眠やストレス管理も治療の一環となります。
必要に応じて、食欲を抑える薬や脂肪の吸収を抑える薬などを使うこともあります。
また、生活習慣病を合併している場合には、その治療も並行して行います。
当院では、無理なく続けられる生活指導と、患者さんに寄り添ったサポートを心がけています。